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データの耐障害性向上~スタンドアロン・小規模ネットワークにおけるバックアップ環境及びRAID~

一般的な環境では、文書や各データなどはPC内のHDDに保存されます。HDDはそれほど故障頻度が高いものではありませんが、決して故障しないものでもありません。 また、故障等の障害が発生した場合は、保存した全てのデータを消失する危険性があります。そのような障害からデータを保護するためにはバックアップが有効な手段となりますが、 運用を誤った場合、耐障害性を落とすことがあり、機器の特性やデータの重要性を考慮した上で、適切な運用を行うことが必要になります。

データの耐障害性

下記に、代表的な環境におけるデータの耐障害性を示します。

スタンドアロン(ノートPC)
ネットワークに接続されていないノートPC環境
物理ドライブ 1台*1
バックアップ可能媒体*2
  • 同一ドライブ
  • 外部記憶媒体
データの耐障害性 耐障害性を確保するためには外部記憶媒体にバックアップを行うことになるが、データ同期のタイミング、履行性を考えた場合、高い耐障害性を確保することは難しく、適切な運用が必要。
スタンドアロン(スリムPC)
ネットワークに接続されていないスリムPC環境
物理ドライブ 1台~ 増設可能*1
バックアップ可能媒体*2
  • 各PC搭載HDD
  • LAN接続型HDD
  • 外部記憶媒体
データの耐障害性 複数ドライブにデータを同期させた場合、ある程度データの耐障害性は確保されるが、一般的に単一OSのみの運用となるため、OSが起動しない場合はデータにアクセスできなくなる可能性がある。
小規模ネットワーク(LAN接続型HDD使用して情報共有)
LAN接続型HDDを使用した小規模ネットワーク
物理ドライブ
  • 各PC搭載台数
  • LAN接続型HDD 1台~
バックアップ可能媒体*2
  • 同一ドライブ
  • 別ドライブ(増設時)
  • 外部記憶媒体
データの耐障害性 複数ドライブにデータを同期させた場合、ある程度データの耐障害性は確保されるが、一般的に単一OSのみの運用となるため、OSが起動しない場合はデータにアクセスできなくなる可能性がある。

*1 一般的な例を示しており、機種により異なります。

*2 ここでのバックアップ可能媒体とは、単純にデータを同期させることが出来るものを示します。

利用形態とリスク

Windowsでは、物理ドライブの区切りに「Cドライブ」「Dドライブ」といったドライブレターを用いますが、ドライブレターは必ずしも物理ドライブを表すものではなく、パーティションと呼ばれる見かけ上の区切りも表します。

物理ドライブとパーティション

複数の物理ドライブ
複数のドライブ(Cドライブ)(Dドライブ)
単一ドライブ上の複数パーティション
単一ドライブ上の複数パーティション(Cドライブ)(Dドライブ)

両者は見かけ上は同じものですが、データの安全性を考えた場合、全く違う意味を持ちます。 例えば一台のHDDの故障率をαとした場合、2台が同時に故障する確率*3はα×α=α2となり、 2つのドライブレターにデータを同期させた場合の耐障害性は大きく異なります。(αは1より小さい値のため、台数が増えるごとに確率は下がります。)

*3 ここでの数値は単純化したもので、実際は衝撃や温度等の外的要因や、内部ファイルシステム構成等の影響を受け確率は変動します。

内蔵HDDと外部記憶媒体

障害事例(内蔵HDD使用時)
障害事例(内蔵HDD使用時)
内蔵HDDは通常Windows等のOS起動後にアクセス出来るようになることが多いため、HDD内のデータにアクセスするためにはOSが起動するということが前提条件になり、OSが起動できない場合、アクセスできなくなる可能性があります。
障害事例(外部記憶媒体使用時)
障害事例(外部記憶媒体使用時)
外部記憶媒体は互換性が確保されている機種間(ex.Windows同士等)では、簡単に内部のデータにアクセスすることができ、OSが起動できない場合でも、他機でデータを参照することが出来ます。

LAN接続型HDD

LAN接続型HDDは一般的にネットワークインターフェースとハードディスクを組み合わせたもので、ネットワークを経由して簡単にデータアクセスが出来るようにしたものです。
内部的にはBSD系やLinuxなどのOSが稼動しているものが多いですが、ブラウザ画面を用いた管理などを提供しており、高度な管理スキルを必要とせずに提供されます。
しかし、内部仕様が公開されていない製品が多いため、トラブル時の対処が難しく、一般的に機器故障時の内部データの保障はなされないため、データの重要性に合わせて適正に運用されることが重要です。

LAN接続型HDD使用例(バックアップ)
LAN接続型HDD使用例(バックアップ)
PCとLAN接続型HDDのデータが常に同期されている場合は、データの安全性が保たれます。
LAN接続型HDD使用例(集中管理)
LAN接続型HDD使用例(集中管理)
冗長化構成がなされていないLAN接続型HDDで集中管理を行うと、LAN接続型HDDが損傷した場合、全てのデータを消失します。

信頼性の向上

バックアップは機器の損傷に備え、予めデータの複製を行うものですが、併せて機器の信頼性を向上させることも重要です。
HDDは他の機器に比べても、熱や衝撃に弱く、決して信頼性の高い機器ではありません。
HDD自体の信頼性を高めることは難しく、信頼性を高めるために、複数のHDDを見かけ上1つにまとめるRAIDが用いられます。

RAID1(ミラーリング)
RAIDの例(ミラーリング)
同じデータを複数のHDDに同時書込みします。原理が単純で安価で構成することが出来るため、比較的容易に導入することが出来ますが、容量が構成するHDDのほぼ1台分になります。

安価で構成することが出来るRAIDには、ミラーリングの他にRAID0*4(ストライピング)がありますが、データを分散化させ、主としてパフォーマンスの向上を図る際に用いられます。 RAID0(ストライピング)ではHDDが2,3台と増えるごとに信頼度は1/2,1/3と低下していきますので、信頼性向上のために用いることは出来ません。

*4 冗長性を持たせるRAIDと区別されることもあります。

様々な環境と対策コスト

導入コスト

環境 バックアップ媒体 導入費用*5 導入の難易度*6
スタンドアロン 外付HDD 1万円~
スタンドアロン 内蔵HDD(RAID) 2万円~
小規模ネットワーク LAN接続型HDD(非RAID) 3万円~
小規模ネットワーク LAN接続型HDD(RAID) 10万円~

*5 機器のみの最小価格帯を示しています。

*6 表中の相対的な比較値です。難易度が高い場合でも、導入が困難ということではありません。

弊社の提供するサービス

お客様の環境下における、最適なデータ耐障害性環境の構築を行います。
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主なサービス内容

調査・分析*7 お客様の環境調査し、問題点の分析を行います。
環境の提案 データの重要度、ユーザー数、コスト等を踏まえて、最適な環境を提案致します。
導入支援*7 機器の手配や人員等の手配等を行います。

*7地域によって、対応が難しい場合がございます。

本コンテンツについて

本コンテンツは、IT技術に精通していない方を対象としており、一般的な事項を基に簡略化した内容で構成しております。
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また、内容を簡略化するため、極力専門的な事項に触れないよう構成していますことを、併せてご了承下さい。